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ももチョコがゲームからもらったものとゲーマーの未来【2】
【GAMERS LIFE】ももチョコがゲームからもらったものとゲーマーの未来【2】

【GAMERS LIFE】ももチョコがゲームからもらったものとゲーマーの未来【2】

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「ももち」選手・「チョコ」選手 ロングインタビュー2

ゲーム環境の変化は、コミュニティ形成に変化を与えた

── 昔と今を比べて、「ストリートファイター」のゲーム環境に変化はありますか?

ももち:「ストリートファイター」は、ゲームセンター周りの環境は大きく変化してます。

チョコ:昔の「ストリートファイター」のコミュニティ形成の基本は、ゲームセンターでした。

家ではコンピュータ相手に「ストリートファイター」の練習をして、腕試しはゲームセンターで行っていました。ゲームセンターでプレイヤー同士の交流が生まれていましたね。

ももち:昔は、オンライン対戦がなかったため、強いプレイヤーと対戦したければ、みんなゲームセンターに行く必要がありました。

チョコ:ゲームセンターには、いろいろな年代、職業の人がいて、様々な人とコミュニケーションを取ることで、ゲームだけではない、人としての振る舞いなどを勉強させてもらっていたように思います。

また、ゲームセンターのコミュニティの中で、誰かがゲーム大会に出場すると、「◯◯ゲームセンター」所属プレイヤーのように、その地域を背負って出場し、ゲームセンターのみんなで出場したプレイヤーを応援していました

今は、ツイッターなどで気軽に人とつながることが出来るようになり、家庭用のインターネット環境も充実して、家から出なくても、練習から腕試しまで全部できるようになりました。

そのため、ゲームセンターには「ストリートファイターV」がなくなってしまい、ゲームセンターも減ってしまいました。

以前のような、顔を合わせての交流が出来なくなってきたのが少し寂しいですね。

ももち:僕は、今の時代ならではのコミュニケーションの取り方に変わってきていると思います。知り合える人数は、SNSのおかげで今の方が圧倒的に多くなっているので、良いことだと思います。

でも、SNSでは相手の顔が見えないだけに、広く浅くという交友関係になっている気がします。

SNSの情報だけだと、ゲームが上手いかどうかのみでコミュニケーションを取るようになってしまいます。ゲーム以外の年齢や性別、その人の性格などの情報がないため、交友関係が希薄になるのは必然かもしれません。

インターネットが普及した今でも、オフラインイベントに来ると、すごく楽しいと言っている人も多くいます。

格闘ゲームは、対戦相手がいてこそのゲームなので、相手の顔を見て勝負をするのは、どんな時代の人でも大切なことだと思います。

将来の不安はいつもあるが、やりようによっていくらでも変えられる

── お二人は現役プロゲーマーですが、なぜ会社を設立しようと考えたのですか?

ももち:僕が会社を作ったきっかけは、将来の不安をどのように払拭していくかを考えていた時でした。プロゲーマーを引退した後のセカンドキャリアに、経営者を選びました。

プロゲーマーは、ゲームタイトルの流行や獲得した賞金額に大きく左右される職業なので、将来の自分たちのために、基盤を固めようと考えました。

本来であれば、会社設立は、プロゲーマーを引退した後にやるべきなのかもしれませんが、プロゲーマーとして生計を立てている時期だからこそ、次の挑戦ができると考え、会社を設立しました。

── お二人で会社設立をしようと決めたのですか?

ももち:そうです。2人でプロゲーマー引退後の将来の不安についてはよく話していました。

ただ、ずっとゲームに関わっていきたいという想いもありました。「チョコ」選手の場合は、ゲームイベントの企画・運営が得意だったこと、僕の場合は「ストリートファイター」を人に教えるのが好きで、若いプレイヤーをもっと増やしたいと思っていました。なので、この2つを軸に会社を設立しようと決めました。

── お二人の役割分担は?

ももち:会社の方向性は、僕が決めています。実際に行動に移すのは、「チョコ」選手ですね。

チョコ:私は優柔不断なので、会社を背負った決断を下すのは責任重大だと感じてしまいます。そのため、決断は論理的に物事を考えられる「ももち」選手にお任せしています。自然とそのような役割分担になりました。

── 忍ismでは、どのような事業を行っているのですか?

ももち:忍ismでは、主にゲーミングスペース「スタジオスカイ」の貸出、イベントの企画・運営、女性ゲーマーチーム「P2G」の企画・運営、プロゲーミングチームの運営を行っています。

── 2018年に入ってから、ゲーミングスペースがどんどん増えていますね。忍ismでは、2017年からゲーミングスペース「スタジオスカイ」を運営していると聞きましたが、なぜゲーミングスペースを作ろうと考えたのですか?

ももち:昔と比べて今は、ゲームをプレイする人にとってコミュニケーションの中心地であったゲームセンターがどんどん減っています。

ただ、いつの時代になっても、オフラインイベントは形を変えて開催されているので、直接コミュニケーションを取れる場として、ゲーミングスペースの貸出を始めました

チョコ:「スタジオスカイ」では、実際に私がゲームイベントを主催していた時に、必要な機材を集めるのがすごく大変だったという経験に基づいて、ゲーミングスペース貸出の他に、モニターやアーケードコントローラ※14(以下、アケコン)などの機材も貸しています。

また、イベントの主催は儲からないので、イベント主催者は自分の時間とお金を使って開催していることもありました。

そのため、イベント主催者は増えず、ゲームイベントを主催しても、場所を決めたり、機材を集めたりするのが大変で、すぐにやめてしまう人もいました。

このままでは、ゲームコミュニティ自体が疲弊し、ゲームをやる人も減ってしまうかもしれないと危機感を覚え、「スタジオスカイ」を作り、イベント主催者にとってイベントを開催しやすい環境を作りました。

私たちプロゲーマーは、ゲームがなくなると自分たちの仕事もなくなってしまうので、ゲームコミュニティが盛り上がれば、自分たちのプロゲーマーとしての仕事に最終的に返ってくると考えています

── 「スタジオスカイ」では、どんなゲームのイベントが開催できますか?

チョコ:「スタジオスカイ」では、格闘ゲームを始め、様々なゲームイベントを開催することが出来ます。モニターとアケコンは、この活動を支援していただいているスポンサーからお借りしているものがあるので、無料で使うことが可能です。

ただ、「スタジオスカイ」には、ゲーム機やゲームソフトはないので、イベント主催者に用意してもらう必要があります。

▲「スタジオスカイ」のレンタル例。10台前後のモニターとアケコンが無料で借りられる。ゲームのオフラインイベントで、楽しくコミュニケーションができそうだ。

── ゲーミングスペース貸出に加えて、イベント企画・運営もやっていますよね。

チョコ:忍simでは、「ストリートファイターV」の「Tokyo Ofline Party」※15(以下、TOP)というオフラインイベントを、年に3回主催しています。毎回「TOP」には、300人から500人が来場しています。2017年は、「TOP」内で「ストリートファイタV」公式大会の予選も主催しました。

さらに、2017年には「ハースストーン」のイベントも主催しており、東京ゲームショウのTwitch※16ブースで国際交流戦をやったり、「スタジオスカイ」で韓国、台湾、フランスの国際交流戦の配信を行いました。

私たちプロゲーマーは、ゲーム会社やスポンサーの気持ちを汲み取れたり、ゲームを楽しんでいるプレイヤーの気持ちを考えることができます。私たちプロゲーマーがイベントを主催することで、双方の意見を取り入れた良いイベントができれば嬉しいです。

── 「チョコ」選手は、2017年から「P2G」を立ち上げましたね。なぜ「P2G」を立ち上げようと思ったのですか?

チョコ「P2G」を立ち上げた理由は、ゲームが好きな女性を応援したかったからです。実際に女性がゲームをやりにくかったり、ゲームをやっていても他の人に言えないというのは、よくあることだと思いますが、私たちはその環境を変えていきたいと考えています。

現在「P2G」に所属している女性たちは、いろいろなゲームタイトルで活動しており、ゲームが好きな女性が活躍できるような場を、私たちが提供してけたらと考えています。

また、少し前に、アメリカでも女性のゲームコミュニティがあるということで、アメリカに行った時に、私はその中心人物と会って話をしてきました。アメリカでも女性がゲームをやっているのは、発信も含めてなかなか少ない状況だそうです

日本でもアメリカでも似たような状況なのであれば、世界中のゲームが好きな女性とつながって、何かできたらいいなと考えているところです。

── 女性だからゲームをやりにくい、と思っている人は多いと思います。

チョコ:そうですね。なので、2018年は、「P2G」主催で全国オフラインイベントを開催する予定です。(2018年4月5日時点)

各地でオフラインイベントを開催することで、ゲームが好きな女性を含め、どんな人でも気軽にゲームを楽しめる場を提供していけると良いですね。

また、「P2G」とは別に、ゲームが好きな女性の活躍を支援するため、「花鳥風月」※17という「スプラトゥーン2」の女子ゲーミングチームも立ち上げています。

私たちはこれからも、女の子が活躍できる場を提供していきたいと思います。

▲女子ゲーミングチーム「花鳥風月」には「花組」と「月組」がある。「花組」には「こもも」選手、「かまぼこ」選手、「ドスコイ☆花子」選手、「あくとりおん」選手が所属。「月組」には「あさい」選手、「しをたん」選手、「りぃ」選手、「りょく」選手が所属。ストリーマー部門には、「とっとこトラこう」が所属しており、現在9名で活動中。

── さらに、2018年は「ストリートファイターV」のプロチーム「Fudoh」※18を発足しましたね。プロゲーマーであるお二人は、なぜプロチームを作ろうと考えたのですか?

ももち:もともと僕たちは、将来的にプロチーム運営をやっていきたいと考えていました。

僕たちは、「EG」や「Echo Fox」に所属していて、チームは家族であり、仲間であり、時にライバルでもある、素晴らしい関係性を作れるものだと理解していました。一方で、プロチーム運営は、金銭面やマネジメントなど、すごく大変だということも理解していました。

そのため、プロチーム運営は、僕たちがプロゲーマーを引退した後の事業と考えていましたが、時期が早まって、気づいたらプロチームを作ってしまいました(笑)。

── なぜ2018年というタイミングで、プロチームを発足したんですか?

ももち:このタイミングでプロチームを発足したのは、2つ理由があります。

1つ目は、2015年から始めた「弟子育成企画」で、僕の弟子になった選手たちがすごく成長してくれたからです。もっと海外で経験を積めば、確実に強くなれる選手に成長しました。

2つ目は、日本国内のeスポーツに対する理解が深まってきたことで、プロチームにスポンサーがつくようになってきたからです。数年前であれば、プロゲーマーは認知されておらず、スポンサーから見向きもされなかったと思います。

でも、国内でも徐々にプロゲーマーが認知され始めて、プロゲーマーの活動を支援するスポンサーが増えてきたことで、「プロチームを発足するなら今だろう」と判断し、発足に至りました。

── プロチームの中には、「弟子育成企画」で育成した3人が所属していると聞きました。

ももち:はい。ただ、僕の弟子になったからと言って、プロゲーマーになれるという保証はありません。3人は、「ストリートファイターV」をやり込み、力をつけてきたので、将来性を見込んでプロチームに所属してもらうことにしました。

▲プロチーム「Fudoh」の6人。左から、「ヤマグチ」選手、「大谷」選手、「藤村」選手、「ハイタニ」選手、「ハク」選手、「ジョニィ」選手。今後の活躍に期待だ。

── プロチームの組織体制は?

ももち:僕がオーナーです。

チョコ:私はマネージャーとして、選手たちをサポートする立場です。

監督やコーチについては、格闘ゲームは個人戦のため付けていないです。将来的には、監督やコーチも必要になると思います。

ももち:僕たちは、プロチームに所属してきた経歴はありますが、オーナーやマネージャーがどのような仕事をするのかは、まだよく分かっていません。

また、現役のプロゲーマーでチームオーナーは世界初の試みなので、お手本がいない状況です。

チョコ:プロチーム運営を、見るのとやるのとでは全く違いましたね。今は、知らないこともどんどん出てきており、課題を1つずつ解決しているところです。

── 同じゲーム大会に出場することもあると思いますが、ご自分の試合もある中でプロチームの試合もあると、ゲーム大会ではどのように立ち回るのでしょうか?

ももち:2018年3月にあったアメリカのゲーム大会では、「Fudoh」のチームメンバー5人と、僕ら2人の合計7人で出場しました。

自分の試合の合間に、プロチームの選手5人のところを行き、Twitchを使って動画配信をしました。動画配信では、チームメンバーの試合中の姿を映し、プロゲーマーとして様々なユーザーに認知してもらうことが目的です。

今は、自分の試合とプロチームのメンバーの試合を行ったり来たりしていて大変ですが、1度自分でプロチーム運営における、全ての工程を経験してみることによって、人員配置などを判断出来ると考えています。

数年後、プロチームとして組織体制が確立されていることが目標ですね。

── 「ストリートファイターV」で、今、注目している選手はいますか?

ももち:自画自賛になりますが、プロチーム「Fudoh」の選手です(笑)。

現在「Fudoh」には6名所属しています。(2018年4月5日時点)

「ハイタニ」選手、「藤村」選手は、もともと活躍している選手なので、引き続き活躍すると思います。

さらに、「大谷」選手、「ジョニィ」選手、「ヤマグチ」選手、「ハク」選手は、16歳が2人と20歳、21歳と若い選手なので、なかなか海外のゲーム大会に出場するチャンスがなかったプレイヤーでした。

4人は、今後海外のゲーム大会を経験することで、良い成績を残せる選手だと思います。今4人の動向をチェックしておけば、通ぶれる可能性があります(笑)。1年後か2年後、皆さんに「わしが育てた」と言ってもらえる選手だと思います。

── 今後もプロチームの所属選手は増やしていく予定ですか?

ももち:そうですね。「ストリートファイターV」で強い人がいたら、スカウトするのもありかもしれません。

── 「弟子育成企画」は今後も続ける予定ですか?

ももち:現在は、弟子育成企画候補生の「みーや」さんが1名在籍しており、プロチームと並行して「弟子育成企画」をやり続けています。今後も、弟子を増やしたいと考えています。

僕と「チョコ」選手の力だけだと、出来ることは限られるのですが、協力してくれるスタッフが増えてきているので、いろいろな事業を出来るようになってありがたいですね。

── 幅広く事業を展開されていますが、その中でも大切にしていることは?

チョコ:私たちはコミュニティを一番大切に考えています。私たちが育ててもらったのもゲームセンターというコミュニティの場なので、人とのつながりは一番大切にしていきたいですね。


次ページでは、ゲーマーの未来を真剣に考える。

▶ももチョコがゲームからもらったものとゲーマーの未来【3】


※14 アーケードコントローラ:ゲームセンターのアーケードゲームにあるコントローラを、家庭用に作ったもの。

※15 Tokyo Ofline Party:東京で開催されている「ストリートファイターV」のゲーム大会。

※16 Twitch:アメリカのAmazon.com社が提供するライブストリーミング配信プラットフォーム。

※17 花鳥風月:日本の「スプラトゥーン2」の女性ゲーミングチーム。

※18 Fudoh:日本の「ストリートファイターV」のプロゲーミングチーム。

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